「 はじめてのおつかい 」
*筒井頼子 さく
*林明子 え
*福音館書店 1976年
*対象年齢:3歳から(公式)
*文字数[多]・3歳〜のお子さんにおすすめ(個人的見解)
公式HPより
「みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。」
林明子さんの絵本が大好きな息子。
「林明子読む!」と言って、自ら絵本を取り出してきます。
なかでもお気に入りなのが、このはじめてのおつかい。
お姉さんになったみいちゃんが初めて1人でおつかいにでかける姿を、読むたび親子でドキドキしながら見守っています。
かぜのように通り過ぎる自転車、お店にくる大きなおじさん、おばさん。
子どもの目から見た大人の世界が臨場感たっぷりに伝わってきます。
はじめて1人でおつかいをするみいちゃんの心細い感情、緊張する気持ちに感情移入して、読んでいるこちらもハラハラドキドキ。
おつかいを済ませ、ほっとして一粒の涙をこぼすみいちゃん。
息子も一緒に安心しているのか、このシーンになると
「ぽろんとひとつ、なみだがおっこってしまいました!」
と、暗唱してくれます。
おつかいをすませて帰ってくるみいちゃんの誇らしげな後ろ姿を眺めながら、こうやって子どもは成長していくのだなぁ、としみじみ感じます。
林明子さんの描く絵は、子どもたちの表情が繊細で可愛らしく、昔から大好きでした。
私が子どもの頃に読んでいた大切な絵本たちを、また息子と一緒に楽しめることがとても嬉しいです。