「 あらいぐまとねずみたち 」
*大友康夫 さく/え
*福音館書店 1974年
*対象年齢:3歳から(公式)
*文字数[中]・2歳〜のお子さんにおすすめ(個人的見解)
公式HPより
「森の川辺に住むアライグマの親子の家から、ある日ジャガイモや豆が袋ごとなくなっていました。こぼれた豆のあとを追っていくと、ネズミたちが前になくなったおもちゃで遊んでおり、豆の袋もそこにありました。アライグマの親子は怒って、ネズミたちをつかまえますが、ネズミたちが食べ物に困っていると知り、一緒に畑を作り、家を建てることにしました。大友康夫の初めての絵本です。」
くまくんシリーズなど、我が家でも馴染みの深い大友康夫さん。
こちらはその大友さんの、初めての絵本なのだそうです。
あらいぐまの一家が川で洗い物をしている間にねずみたちがあらいぐまの家に盗みに入り、あらいぐま一家の大切な物を盗んでいってしまいます。
怒ったあらいぐまたちはねずみを捕まえますが、ねずみたちはあらいぐまの家から物を盗まなければ食べるものがありません。
子ねずみの涙の訴えに困ってしまったあらいぐまたちは、しばらく考え、いいアイディアを思いつきます!
ねずみたちとあらいぐま一家は一緒に畑をつくり、家を建て、ねずみたちがもう盗みに入らなくても良いように手助けします。
困ったねずみたちに物を与えるのではなく、自分たちで生きていけるようになるために力を貸すあらいぐま。
子ども向けの絵本ながら、支援の本質を突いていて、なかなか深いなと感心してしまいます。
この絵本の特に面白いシーンが、完成したねずみの家のシーン。
すべり台付きの楽しげな家の中で、ねずみたちが踊ったり、ご飯を食べたり、ねんねしたり。
その中の絵本を読むねずみたちが、なんと!ぐりとぐらを読んでいるではありませんか〜!
よく見なければ見落としてしまいそうな、小さなワクワクポイントでした。